東京高等裁判所 昭和27年(ラ)220号 決定
裁判所において民事訴訟法第五百四十九条、第五百四十七条の規定により異議を主張する者のためにその申立により執行処分の取消を命ずる裁判をなす場合に、これに先き立てしむべき保証金額を定めるには抗告人主張の事情を参酌するを相当とするけれども、元来仮処分の取消を命ずる場合の保証金の額は、仮処分を命ずる場合の保証金の額と同一でないのはもちろんであつて、仮処分の執行処分の取消を命ずる場合の保証金は、その目的物件の種類、性質、数量、価額、及び経済事情の変動等を考慮しその意見により仮処分債権者がその執行処分の取消により被ることあるべき損害を補償するに足ると思料する相当の金額を定めうることは論をまたないところである。本件においても原審裁判所が抗告人に対し、その仮処分の執行処分取消申立を許すに先ち供与を命じた保証金額は右の標準に照して相当と認められるから、抗告人のこの点の論旨も採用することができない。